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ローカルダイアログ

#ワークショップ、#テクノロジー、


楽しさ満点まちづくりワークショップ

まちづくりの活動で対話や制作を通したワークショップが開かれることは多々あります。


ワークショップに独自の要素を入れて全国各地で活動をしているのが株式会社ボノです。今回はローカルダイアログの発起人の1人でボノに所属する坂井さんにお話を伺いました。


まず ローカルダイアログについて教えてください!


企業系の健康経営を可視化していく活動を行なっている方に出会ったのがきっかけです。経営者目線だけでなく従業員目線からも健康状態を可視化できる仕組みができていて、その地域版が出来たら面白いなって思ってそこからローカルダイアログが始まりました。


まち全体の1人1人の健康を知ることで戦略を把握しないと次の活動には繋がりません 。健康というのは身体的な健康だけではなく、幸福などの精神的なところから社会的なことまでを指しています。


従来のアンケートや住民参加型ワークショップでは、声の大きな人の意見に傾いてしまい結論が同じようなもになって全体の意見をデータ化しにくいことや、その後の政策策定まで住民が主体的に関わる機会が少ないアウトプットの方向性という課題がありました。

ローカルダイアログでは、行政の結論ありきで政策を作るのではなく、対話を通じて地域住民が政策づくりに主体的に関わり、対話データをまちづくりに活かすことで、自治体が主導で行なっていた「一方通行」の政策策定を住民が参加して行う「共創型」に転換します。


医療的な把握とは異なり、直接採血して化学的な数値を出して管理するやり方には限界があるため、住民の方がどう思っているのかを対話を通して言語化し、多様な価値観や視点を多角的に明らかにしていくツールがローカルダイアログです。



具体的にはどのように行うのですか?


先ほどの理念にあったように楽しく参加できる仕組みが必要だと思い、カードゲーム形式の設計になっています。


まずイラストの入ったビジョンカードを使用して、集まったチームのメンバーでどういったまちにしたいか話し合ってまちのビジョンを決めます。



その後にダイアログカードを使って対話を深めていきます。ダイアログカードは5つのカテゴリーに色分けされた計69枚の質問に[Yes]/[No]形式で答えてもらいます。


質問内容は行政のアンケート項目を参考に作成しました。今までのアンケートでは集計できても数字の裏側まではわかりません。理由がないと次に何もしようがない。なぜ、誰がのリアルなデータを取ることで参加者の属性によってどのようにまちが見えているのか、相違が出る理由が何なのか構造的な背景を認識できます。


例えば「幸せだと感じる人が多いと思う」の質問になぜ「Yes」と答えたのか、なぜ「No」と答えたのか理由を聞いていくことで意見の違いや、相違が生じる立場の違い、普段の生活の違いまで把握していけます。だからこの人はこっちを選んだんだ、こういった考えをまちに持っていたんだとうい気づきに繋がります。





最後にYes・Noの結果をフォーマットに貼り付けてスクショを撮って専用のサイトに貼り付けると数値化されたグラフが出てきます。ダイアログカードで集計したデータを視覚的にわかりやすくして参加した人だけでなく参加できなかった人にも報告の資料として使えるようになっています。


グラフ化されたデータはグループごとの比較として課題や特徴を見つけやすくするだけでなく、翌年に行う結果との比較対象となり政策が機能したのかの目安にもなります。次のアクションと振替入りを行えることで継続した活用を行うことができます。





実際にローカルダイアログを実践してみてどんな反応が見えました?


ローカルダイアログは昨年の11月ごろから構想が始まって本来はオフラインを想定していました。4月にプレリースもしましたが今回のコロナの影響で急遽オンライでも対応できるように変更して5月に完成しました。


オンラインになりましたが専門的なアカデミックな話ではないので1人の人がわかっていればボタンを押す操作で済む話なので感覚的なものでオンラインになったことはハードルは高くは感じませんでした。


ネット環境がない場合でもリアルでもローカルダイアログは行えますし、オンライン何人かは役場に集まってやってみるといった柔軟な試行ができます。


そもそも坂井さんはなぜまちづくりに興味を持ったのですか?


元々、大学時代に京都に進学して6年間住んでいました。学生が多いので流れの激しい層と京ブランドを持った土着のバランスを持っているようなまちでした。ハードでは京町屋や神社仏閣の共通のシンボルもあればコミュニティもあって、みんなで活動しようといった種がいろんな場所に散らばっている印象でした。僕自身もその中のいろんなコミュニティに顔を出すようになりまちのことを考えるキッカケができました。


京都でまちづくりの活動に関わることでどんどん草の根的な活動の価値に惹かれて場づくりに興味を持つようになり、生活に入り込んでリアルなことを語り合い一般の人と何かやることに対して魅力を感じました。


まちづくりとしてスペックの高い人が仕切ってやるのとは真逆の京都の活動のような参加者と参加者の関係を築くつことができることが理想的でそれがローカルダイアログに繋がったと思っています。




これからまちづくりに期待してることはなんですか?


グローバルアジェンダとして誰でも参加できるようにSDGsが国連から発表されましたが、SDGsのようなみんなが概念として理解しやすい仕組みが大切だと思います。みんなでゴールやテーマを持って活動できるのってすごくいいなと思って、あれは世界的な活動だけどローカルダイアログは地域に沿った活動を生み出していきたい。みんなが目指せるゴールを違うポジションからも連携して行けたらいいなと。


まちづくりはまち全体の活動ではありますが、分解していけば1人1人の個人の不満や希望から始まる活動だと思っています。そういった思いをチームとして共有することで結果的にまちづくりとして見えていきます。なので1つ1つの種を発見して伸ばしていく為の仕組みが必要だと思います。その役割を担える人や組織がいないのであれば僕らであったりローカルダイアログを使用して活動するファシリテーターを育てて全国で展開していけることが目指すべき姿だと思っています。



(文責:遠山)

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