
銀座の一等地にできた公共空間
銀座駅直結の数寄屋橋交差点の一角にある一等地に、公共的な取り組みを行う公園がある。
「銀座の庭としてソニーの新しいブランドコミュニケーションの場を作ること」、「人々にリアルな体験を感じてもらえること」、「銀座をより心地よい街にすること」の3つのコンセプトの実現を目指す取り組みがこの場所で行われている。
この敷地にはもともと「街並みの美学」や「東京の美学」の著書であり、建築家の芦原義信が設計したSONYビル1966年-2018年まで建っていた。

建て替えの計画で解体を行ったが、2018年8月のSONYビル解体後、すぐに次の建物を新築せず期間限定(3年間)でフラットな地上部とSONYビルの既存の構造を残した地下4層で構成される垂直立体公園を実験的な公園として展開している。
地上部分は完全なオープンスペースとして通りかかる人が休憩する公園としての機能だけでなく、交差点を待つ人の一時的な吹き溜まりとなりにもなっている。地上部だけでなく地下の銀座駅と直結しているため、地下からの多くの動線も引き込んでいる。階段を上がった上段部には国内では珍しい植栽が多数植えてあり、高密度の都内にポッカリと緑の穴が空いたような空間だ。

この構成は芦原義信がSONYビルのコンセプトとして縦の銀ぶらをイメージし、シームレスに上下階がつながる構造を継承した立体構成である。
今後は、2021年の9月にこの敷地に建設開始を開始し、2025年にSONY PARKの最終形として実験的な3年間の得た成果を基に銀座のまちに公共スペースを展開していく予定だ。
一時的な公共空間がまちを訪れる人にどんな影響を与えていたか、そしてそれを基に考察された次のSONYビルの公共空間に今後期待して観察していきたい。(#公共空間)(#建築)