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▼概要
特定エリアに限定したSNS「PIAZZA」。PIAZZAはSNSを通じてまちづくりを行います。
今まで住民参加のまちづくりやワークショップを通じてまちづくりを行う方法はありました。
SNSだけでなく、リアルな空間と組み合わせることで人々が支え合う街を目指します。今の時代の新しいまちづくりに興味がある方はぜひ読んでみてください。
目次
・地域SNS「PIAZZA」とは?
・PIAZZA誕生の背景
・地域SNSのマネタイズ
・PIAZZAのこれから
・コミュニティバリュー(CV)はどこにあるのか
・地域のハブになる施設
・顔がわかるコミュニティを作るSNS
■地域SNS「PIAZZA」とは?
PIAZZAは街における価値が、ハードからソフト、そしてコミュニティになっていくという仮説をもとに、アプリの開発とリアルな場の運営を行なっています。
特徴として、
①リアルな接点の構築・活用 ②地域コミュニティの数値化 ③行政のDXの支援
があり、コミュニティ施設の運営やコミュニティデザイナーを起用し、オンラインだけでなく、リアルな場を重要視しています。
また、コミュニティの価値は評価されていないことが最大の問題と捉え、繋がりの数や熱量である「CV(後述)」を可視化し、行政にKPI(重要業績評価指標)として採用しています。
■PIAZZA誕生の背景
PIAZZA代表の矢野氏は15歳の時に読んだ「街並みの美学」で広場に興味を持ち、大学時にカナダで土木工学・都市計画を専攻するなど元々まちづくりに関心を寄せていました。卒業後はまちづくりや都市工学から離れ、証券会社・ゲーム会社とキャリアを積んでいました。
ある日、子どもが事故にあった際、名前も知らない近所の人が助けてくれたことをきっかけに、地域の人が集まる地域コミュニティの「広場」を作ろうと考え、2015年にITを活用した地域SNS「PIAZZA」の開発をスタートしました。
■地域SNSのマネタイズ
今まで地域SNSが成功してこなかった理由としてマネタイズが最大の理由です。このマネタイズについては、ローカル広告市場に注目しています。日本では、紙媒体のチラシに1枚10円程度もかかり、マンションには配れないような状況もあります。
商店が出していたチラシをPIAZZAによる広告に変えることで、価格も低く、利用者の分析やエリアにに特化した広告となります。
一方で、アメリカのローカル広告市場ではデジタルが牽引し、直近では、コロナによって新しい層がDXの必要性と足元商圏の重要性に気づき、地域のデジタルプラットフォームの重要性が高まっています。
収入源は、個人からではなく施設運営やチラシを配っている商店の代替広告として得ています。
■PIAZZAのこれから
CareとCareerが両立できる社会を目指しています。 情報を通じて人々が支え合う街であり、情報だけでなく資産をオープン化して支え合う街を作ろうとしています。
■コミュニティバリュー(CV)はどこにあるのか
PIAZZAを通じてイベントに参加していた人は翌月のアプリのログイン量が3倍となっていました。これは、PIAZZAを通じてリアルな場にコミュニティを作り、その段階でCVが上るという相関関係です。
アプリやウェブでできることには限界があり、デジタルとリアルの両方につながっていることが重要です。
現在の利用者は30〜40代のファミリー層が中心ですが、単身で暮らしていると、地域で知っている人が少なく、急病を患った時に危機感を感じました。
都心で子育てをする際に手助けが必要となる場合や、今後も増えると予想される単身者世帯があります。介護など地域とつながるからこそ価値を持つ分野があるのではないでしょうか。
■地域のハブになる施設
地域コミュニティに入って気づいたのは、既にいろんなタレントは揃っているが、場所と集客のためのツールなど手段がうまく使われていないことです。
遊休スペースをオープン化することで、地域のハブになりやすいことがわかってきました。今後は、街の遊休スペースなどもデジタルの力を使って活用していきます。地域に眠っている資産を輝かせていけるような活動を考えています。
■顔がわかるコミュニティを作るSNS
リアルなコミュニティがコロナによって薄れた時にも、デジタルで繋がっていたことにより完全にはなくなりませんでした。デジタルとリアルの両方でつながることが地域のレジリエンスを強固にしています。
スペインのサン・セバスチャンは、レストランのメニューをオープン化することで街全体の料理の質が上がり、世界屈指の美食の街になりました。
PIAZZAはこれをモデルとしており、リアルとデジタル両方で資産をオープン化することで街全体の質を上げようとしています。
DXで顔も知らない人と簡単に繋がる世界もありますが、元々まちづくりに興味があったPIAZZAだからこそデジタルも活用して顔がわかる世界で繋がる世界を作ろうとしているのではないでしょうか。
(文責:西 昭太朗)
日本都市計画家協会のまちづくりカレッジの視聴をもとに作成
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